【4】実はディズニーでは、キャストを誉めないんです。
- 菅原 齋(カンバラサイ)リレーションパートナー
- 2018年1月23日
- 読了時間: 3分

ディズニーには5スターカードという制度がります。5スターカードとは、素晴らしいサービスや仕事をしたキャストがもらえるカードです。5スターカードはオリジナル記念品と交換できるほか、定期的に開催される5スターパーティーに参加できます。
これは「ディズニーの誉める人材育成」なのでしょうか?
私は違うと考えます。
こんな例を想像してみてください。
あなたは55歳でこの仕事のベテランだとします。
あなたの仕事ぶりを見て16歳のアルバイトさんが「○○さん、あなたはエライですねぇ」と言いました。
55歳のあなたはどんな気持ちを感じますか?
16歳のアルバイトさんに対して、一瞬でも不愉快な感じをお持ちになった方がいらっしゃるのではないでしょうか?
確かにあなたは誉められました。
なぜでしょう?世間一般では、誉められることは嬉しいことなのに。
多くの人は対人関係をポジションで考えるという傾向があります。
人は相手が自分より上なのか、同等なのか、下なのかを即座に判断して行動をしているのです。
それは目線、態度、話し方、聴き方、相手の考えの受け入れ方すべてに影響してきます。
誉めるという行為は目上の人間が目下の人に対してすることなのです。
ディズニーはきっとそれがわかっているのだと思います。
だからディズニーではキャストを誉めないのです。
では、5スターカード役割は何なのでしょうか?
たった1年間ですが、私が東京ディズニーランドで働いてもっとも感動したことは、良い仕事をすると上司や同僚から同意され、感謝されたことでした。
私が2枚頂いた5スターカードの裏には、それぞれスーパーバイザーの手書きで「~に好感が持てます」「~ありがとうございます」と書いてあります。
「誉めずに感謝する」これがディズニーの人財活用術だと、私は体験して実感しました。
同意と感謝。この2つがディズニーキャストのモチベーションを支えていると私は確信しています。
私の好きな書籍『7つの習慣』に「人は自分が扱われたのと同じように他人を扱ってしまう」という言葉があります。
人間関係で大切なのは同意と感謝です。
同意は相手の言葉を繰り返す「オウム返し」で 感謝は「ありがとうございます」で簡単に表現することができます。
ワーク⑤「隣の人と同意と感謝で会話してみよう」
隣の人と“オウム返し”と“ありがとうございます”で会話をしてみましょう。
相手はどう感じてくれるでしょうか、そしてあなたはどう感じるでしょうか
何人かと会話をしてから、それにどのような効果があるか話し合ってみてください。
秘訣④公平な評価基準で、公正な評価を行う。
「公平」と「公正」は似て非なるものです。
特定の人だけが優遇されるとある人は「不公平だ」と騒ぎ立てます。
「不公正だ」とは言いません
「公平」と「公正」の違いは何でしょうか?
「公平」はそれぞれの状況に関係なく全員に対して同じ対応をします。しかし「公正」ではそれぞれの状況に応じて対応していきます。
ディズニーの顧客対応はこの「公正」にもどづいて行われています。
それをディズニーではシンプルな「目の前の顧客に集中する」という言葉で表現しています。
たとえば
赤ちゃんを連れたお母さんゲスト子のために、レストランの席を探して差し上げる
車椅のゲストに「なにかお困り事はないですか?」と声をかける
迷子になった子供の保護者の方を探すために、持ち場を離れる
「他のお客様もいらっしゃいますので」 「すべてのお客様にこのようにお願いしています」 このような言葉を聞いたこと、言われたことはありませんか? 言われて初めてわかりますよね。これが顧客目線でない言葉だということが。
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